厚生年金、パート加入義務拡大…「週20時間以上」に(2009年を目途に実施を目指す)

政府は13日、厚生年金への加入が義務付けられる
パート労働者の範囲を大幅に拡大する方針を固めました。

労働時間が「おおむね週30時間以上」の加入基準を、
「週20時間以上」に広げる案を軸に検討する。

パート労働者の不安定な労働環境を改善するのが狙いです。
「再チャレンジ推進会議」(議長・安倍官房長官)が
5月中にまとめる中間報告に盛り込み、
2009年をめどに実施を目指しています。

推進会議では、
基準を「週20時間以上」に広げた場合、
400万人前後が新たに加入することになると試算しています。

パート労働者にとっては、厚生年金に加入すれば、報酬に比例して国民年金より多額の年金が受け取れるようになり、老後の所得保障が充実する。保険料の点でも、全額負担である国民年金(月1万3860円)に比べ、厚生年金は企業と労働者の折半となるため、個人の負担は基本的に軽くなります。

パートの厚生年金加入の拡大は、04年の
年金改革でも議論されましたが、多くのパートを雇用する
外食産業や小売業などの業界を中心に、
「保険料負担が重くなる」と強い反発が出て、見送られた経緯があります。
04年に成立した年金改革関連法には、
この問題を09年をめどに再検討する規定が盛り込まれました。


今回も同様の反発が予想されますが、
政府は、賃金や年金保険料の負担を避けたい企業が
正規社員の雇用を抑制し、パートを増やすケースがここ数年、
目立っていることを問題視しています。

厚生労働省の調査では現在、正規社員が約3100万人であるのに対し、
パートは1000万人以上に上っています。

政府は今回の措置で、こうした状態を是正し、
公正な労働環境の整備につなげたい考えです。

小泉首相の主導する構造改革の下で、
格差の拡大が指摘されていることも、正社員との扱いの差を
縮小する今回の措置の導入を後押しする要因となっています。

一方、同じパートでも、
厚生・共済年金に加入するサラリーマンや公務員の配偶者で、
パート収入が年130万円未満の場合は、

国民年金の第3号被保険者に分類され、
保険料を納める必要がありません。

こうした扱いには、「優遇されすぎだ」との批判もあり、
政府は、収入要件を「年65万円程度」などに
厳しくすることを合わせて検討する方針です。

(2006年5月14日3時1分 読売新聞)