自己主張が強く、著しく協調性に欠ける社員は解雇できますか

一般論としては、自分の仕事の進め方について
明確な自分の考えを持つことは、
それ自体が否定されるものではなく、
場合によってはむしろ推奨されることでしょう。

しかし、
業務が複数の社員の共同作業と
協力により遂行されるものである場合には、

度を越して自分の意見に固執し、他人の意見を無視することになれば、
職場秩序維持上の問題を生じることも当然予想されます。

また、共同作業でないとしても、
会社の業務処理方針に反するような
自己流のやり方が容認されるものではありません

したがって、

管理する立場のものとしては、
社員の自己主張が建設的な意見であるか、
独善的なものであるか、

また、その主張の態様が職場秩序にも配慮したものか、

職場の秩序を乱すような態様のものであるかを
きちんと配慮しつつ、職場秩序に影響を与える
おそれのある行動については、
きちんと注意指導をしていく必要があります。


他の社員のクレームについて、
どのような場面でどのような問題について、
どのようなやり取りがあって、
どういうトラブルが生じたのか事実を確認します。


そこで問題と思われる状態があると評価した場合、
この段階でどのような注意指導をするか考えるために、

そのほかにも同様の問題を生じたことがあるか、
繰り返していないか確認します。

一般的には、数回にわたり同様の
問題が生じていると言うことであれば、
注意指導を考えなければなりません。


初回から同じような対応をするのが良いかどうかは、
建設的な意見を自由に提案する芽を摘んでしまわないか
慎重に検討されるべきでしょう。

最初の段階ではあくまで教育的指導の姿勢で臨み、
以後への注意を喚起するという対応が適当と思われます。


次の段階においては、当初の教育的指導がなされても、
態度が変わらず、相変わらず自説を主張し、

他のものより合理的な意見に従わず、
職場の雰囲気を壊したりチームワークを乱す状況が
改善されないのであれば、
管理者としては、より積極的な注意・指導をする必要があります。


なぜその者の説が採用できないのか、
他の者の意見の方がなぜ合理的なのかを具体的に説明し、

合わせていずれの考えをよしとするかの判断は
最終的には会社の権限であり
個々の社員が決めることのできる
問題でないことを説明します。

その上で、自説にこだわりチームワークを
乱すことは職場規律維持上認められないことを明確に伝え、
状況が改善されない場合は、
懲戒等の問題にもなり得ることを警告指導すべきです。


これまでどういう問題が生じてきたか、
これについて会社はどのような指導をしたか、
本人はどのような対応をしたのかを再度整理し、

状況が改善されていない以上、
会社は会社の指示命令に従わず職場秩序を乱した
行為と捉えて、懲戒処分を検討しなければなりません。

この場合、往々にして、
問題が生じるのは自分の側に責任があるのではなく、

他の同僚の方にこそ原因と責任があるのだという
主張がなされることが少なくありません。


このため、会社・管理者としては、双方の言動やそれについての
言い訳を評価したうえでなお、本人の側の言動に問題があること、
なぜそう考えるのか、

本来どのような対応がなされるべきで
あったのかをきちんと説明できなければなりません。

この点が大きなポイントです。

会社として十分適切な
注意指導を行ったにもかかわらず状況が改善されず、

本人の言動により職場秩序が乱され、
会社の指示命令が守られていないと判断できれば、
服務規律違反行為として
懲戒の条件は充たしているということができます。

これまでどういう問題が生じてきたか、
これについて会社はどのような指導をしたか、

本人はどのような対応をしたのかなど、
これまでの経緯を改めて整理して、会社の服務規律・懲戒条項の
どれに該当するかを具体的な事実に基いて書き出し、
あやふやなところがないかどうかを確認し、

第三者にも説明可能なもので
あることの確信が持てれば、解雇することも可能になります。