できます。
(但し、就業規則の「制裁」に関する章の
中に規定する必要があります。)
遅刻、早退、欠勤というような者は、
労働者が労働契約により労働すべき義務を負っている時間に
労働の提供をしないことですから、
ノーワーク・ノーペイの原則により、
労働の提供のなかった限度で賃金を支払わないことは
差し支えありません。
したがって、5分の遅刻、
早退に対して5分に相当する賃金を、
30分の遅刻、早退に対して30分に相当する
賃金をカットすることは当然認められることになります。
しかし、労働の提供のなかった限度を超えて賃金カットすること、
すなわち、
5分の遅刻に対して30分に相当する賃金をカットすることは、
労働者が労働したことによって当然受領する
権利のある賃金を支払わないという結果になり、
「賃金は、その全額を支払わなければならない」
と規定している
労働基準法第24条第1項に違反することになりますが、
「賃金の全額払いの原則」には例外があり、
法令に別段の定めがある場合又は賃金の
一部控除に関する労使協定がある場合には、
賃金の一部を控除して支払うことができることになっています。
また、労働基準法第91条には
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める
場合においてはその減給は、1回の額が平均賃金の
一日分の半額を超え、総額が賃金支払期における
賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」
という規定があります。
「減給の制裁」とは、職場規律に違反した
労働者に対する制裁として、労働者が本来ならば
受取ることのできる賃金の中から一定額を差し引くことをいいます。
したがって、減給の制裁として、
第91条で制限している金額の範囲内で賃金から差し引くことは
第24条の規定に違反しないことになります。
5分の遅刻を30分の遅刻として
賃金カットをするというような処理も、
労働の提供のなかった限度を超えるカット部分について、
第91条の減給の制裁として取り扱うことにより、
違法とはならないことになります。
このような処理をする場合には、
単に計算方法の問題というよりは制裁としての
減給という事になりますから、
その旨をはっきりさせるため、
就業規則の制裁に関する章の中に規定しておくべきでしょう。
