全国1・2部上場企業と当社会員企業から
任意に抽出した約3500社です。
●「調査結果のポイント」
・改正高年齢者雇用安定法が求める65歳までの雇用確保措置は、
93.2%の企業が「継続雇用制度」で対応。
雇用確保の上限年齢は72.4%が「法定の実施義務化年齢に合わせて
段階的に設定(62〜64歳)」している。
・継続雇用制度の対象者は、
「希望者全員」とした企業が20.0%で
残る8割(79.7%)近い企業は「対象者を限定」している。
その選定基準を策定した企業における労使協議の結果をみると、
「労使協定を締結した」企業が77.1%
「労使合意に至らなかったため、就業規則に基準を定めた」
企業が8.9%となっている。
・選定基準の項目を多い順に並べると、
「健康状態に関する基準」90.0%
「働く意思や意欲を有すること」88.0%
「能力・経験に関する基準」86.5%
「これまでの勤務態度等に関する基準」69.3%
「一定の勤続年数」10.0%の順(複数回答)
・それぞれの項目の具体的な内容を見ると勤務態度では
「懲戒処分を受けていないこと」が最も多く63.2%
次いで「出勤率が一定以上」48.3%
「無断欠勤がないこと」42.0%
と続く。
能力・経験では
「一定水準以上の人事考課」86.2%
「一定以上の社内資格等級在籍者」17.5%
「一定以上の技能検定保持者(社内・社外)」8.8%
の順となっている。
<改正高年齢者雇用安定法への対応状況>
●雇用確保は「継続雇用制度で対応」が9割
この4月1日から施行された改正高年齢者雇用安定法は、
65歳までの雇用確保について、次の3つの措置のいずれかを
講じるように求めています。
@定年の引き上げ
A継続雇用制度の導入
B定年の定めの廃止
実際にどのような措置が講じられたかを見てみますと
「継続雇用制度で対応した」企業が93.2%とほとんどを
占めており、何らかの形で「定年年齢を引き上げた」企業は
0.9%(3社)
「定年制度を廃止した」企業は1社もないという結果になっています。
●雇用確保年齢は7割が「段階的に設定」
継続雇用制度で対応した企業について、雇用確保の上限年齢を見ると
「法定の実施義務化年齢に合わせて段階的に設定(62〜64歳)した」
企業が72.4%と7割強を占め、
「一気に65歳とした企業は23.8%となっています。
法定の実施義務化年齢は、
男性の年金(定額部分)の支給開始年齢の
引き上げスケジュールに合わせて設定されており、
最も現実的な選択が行なわれたようです。
●継続雇用制度の対象者は
「希望者全員」が2割「対象者を限定」が8割
改正高年齢者雇用安定法では、原則として希望者全員を
対象制度の導入を求めているものの、
各企業の実情にあわせて、労使協定で選定基準を定めたときに限り、
対象者を限定した制度の導入も認めている。
今回の調査では「希望者全員」は大企業で少なく
(1,000人以上3.3%)
中堅及び中小企業で多いという結果になっています。
<注>平成18年度から3年間(中小企業は5年間)については
就業規則等の定めによっても可能
<継続雇用制度の対象となる基準>
●選定基準は「労働意欲」「健康状態」「能力・経験」の3つに集中
具体的な選定基準を多い順に並べると、
「健康状態に関する基準」90.0%
「働く意思や意欲を有すること」80.0%
「能力・経験に関する基準」86.5%
「これまでの勤務態度等に関する基準」69.3%
「一定の勤続年数」10.0%
といった順番になっています。(複数回答)
働く意欲があることを大前提として、
通常業務に差し支えない健康状態にあり、かつ支障なく業務の
遂行ができる能力や経験を持っていることが条件となっていることが
わかります。
●勤務態度では
「懲戒処分を受けていないこと」
健康状態では「直近の健康診断結果」
能力・経験では
「一定水準以上の人事考課」がポイント
(これまでの勤務態度等に関する基準)
勤務態度等に関する基準では、
「懲戒処分を受けていないこと」が最も多く63.2%
次いで「出勤率が一定以上」が48.3%
「無断欠勤がないこと」が42.0%と続く。
さらに「出勤率」については、
直近の一年間で80%以上、90%以上といった基準のほか、
過去に年間、過去3年間の出勤率を定めている企業も多く、
もっとも厳しいもので、過去5年間に欠勤がないことを
条件にしている企業もある。
(健康状態に関する基準)
健康状態に関する基準では、
「直近の健康診断結果」が最も多く73.9%
次いで「産業医による診断」23.5%
「体力に関する基準」3.5%と続きます。
「その他」と回答した企業の内容を見ると、
「業務に支障がない健康状態にある者」といった、
いわば、一般的な規程をしているものが多く、
そのよりどころとなるのはやはり定期的な健診結果などでは
ないかと考えられます。
(労力・経験に関する基準)
能力・経験に関する基準では、圧倒的に多いのが
「一定水準以上の人事考課」の86.2%
次いで「一定以上の社内資格等級在籍者」17.5%
「一定以上の技能検定保持者(社内・社外)」8.8%
となっています。
それぞれの内容をもう少し詳しく見てみると、
「一定以上の人事考課」としては、
「標準」もしくは「平均」以上を条件とする企業がほとんどです。
通常の五段階評価であれば「B以上」ということになります。
この人事考課の結果をどこまで遡るかも企業によってさまざまで、
具体例を見てみると、
「過去2年間」「過去3年間」が比較的多く
最長は「過去5年間」となっているほか、直近の一年間の結果で
判断する企業もあります。
「一定以上の社内資格等級在籍者」の内容としては、
ほとんどの企業が「設定された等級以上」を継続雇用対象者の条件
としています。
これも、各企業の資格等級制度の実態によって異なるため、
どの程度のランクかは何ともいえません。
「一定以上の技能検定保持者(社内・社外)」の
具体的な資格名を見ると、技術士、建築士、情報処理資格など、
業態によって様々な資格名称が上がっています。
●継続雇用の希望は7割が「59歳時に聴取」
それでは、該当する社員に対して、
いつごろ継続雇用の希望を聞いているかをみると、
最も多いのが定年1年前の「59歳時に聴取」の65.4%
次いで「定年前の1年以内に聴取」の14.9%
となっています。
(なかでも、「定年の6ヶ月前」が63.8%と最も多い)
一方、「58歳時」3.8%
「57歳時」3.5%
「57歳より前」1.9%(うち5社は55歳)のように、
比較的早めに聴取する企業もあります。
