偽装請負では安全配慮義務は注文者企業に

派遣労働者が業務上災害により被災した場合、

使用者は、それが安全装置の不備や機械器具の欠陥

その他安全管理の過失に基づくものである場合や、

適切な安全管理上の指揮命令がなされなかった等という

原因による場合には、労災保険の給付のみならず、

その過失や欠陥や安全管理上の不備について、

いわゆる安全配慮義務違反や不法行為(使用者責任)と

慰謝料を含む労働災害の損害を賠償しなければならないことにもなります。

この点についてはケース・バイ・ケースで事案によりますが、

一応次のようにいえます。

業務上の災害の危険から労働者の生命・身体、健康を保護して

使用することは抽象的義務は雇用主にあるとはいえ、

労働者を実際に指揮命令し、機械、施設、器具等を

提供して使用するのは派遣先事業主です。

この為派遣法第3章第4節の

「労働基準法等の適用に関する特例等」において

「労働者がその事業における派遣就業の為に派遣されている

派遣先の事業に関しては、当該派遣先の事業を行うものを

使用する事業者と、当該派遣中の労働者を当該派遣先の事業を

行うものに使用される労働者とみなして」労働者の危険又は

健康障害を防止するための措置等を適用するとされています。

具体的な派遣先の作業についての危険・有害の防止措置義務は

派遣先にあり、派遣もとの事業者に関しては、

「当該派遣元の事業の事業者は、当該派遣中の労働者を

使用しないものと、当該派遣中の労働者は当該派遣元の

事業者に使用されないものとみなす。」との特例が定められ、

派遣元には当該規定を適用しないことになっています。

派遣先の安全衛生管理の不備、欠陥に基く派遣労働者の

労働災害については、その防止義務を負う派遣先に

損害賠償責任があると考えられ、

この面において前記のとおり労働災害の補償」と「賠償」が

分離されているといえます。