セクハラの問題は、わかりやすく例えると「嫌煙権」に似ています。
20年前には、タバコを吸う時に隣の人に
「タバコを吸ってもよろしいですか」と聞く人はいませんでした。
しかし嫌煙権を争う裁判なども起って、
タバコを吸う場所や吸い方についてのマナーがだんだん
出来てきています。
社会的にも喫煙者に対する規制は厳しくなり、
公共のスペースでの喫煙は非常に限られてきました。
タバコを吸うことによって他人の権利や自由を侵害する、
つまり周りの人の健康を害しないようにする配慮が出てきました。
これはわずか20年の間のことであり、とても象徴的です。
タバコは副流煙等によって周りの人の健康を侵害するわけですが、
セクハラも質は違うものの、憲法に保障された人格権に
根ざすものを侵害するおそれがあります。
性的な嗜好はきわめて個人的なものであって、
体を触られるとか、卑猥な話しを聞かされるとかは、
場合によっては相手の人格を否定し、傷つける結果にもなります。
それは基本的には人格にかかわることであり、
あまり踏み込むことではありません。
そうすると当然、タバコと同じように、
よろしいですかと聞くマナー、
相手がそれを嫌がっていないかをさりげなく問うマナーが求められます。
例えこれぐらいは許されるだろうと思っていても、
ある人にとってそれが非常に不快だと言うなら、
法律で処理する以前に職場のマナーやルールとして
控えるようにすべきです。
