官はもっと親切になれないのか

ある方から、20歳の娘が寝たきりで収入がないので、国民年金保険料の納付猶予の申請をしたのだが、『国民年金保険料免除・納付猶予却下通知書』が郵送されてきた。

それで社会保険事務所に行ってその理由を聞いたのだが、「世帯主の収入が多いからだ」と言われた。

ということで、本当にダメなのかということで、私の事務所に相談に来ました。
その経緯を聞いて私は「こんなことはあり得ない。今年4月から若年者(20歳以上30歳未満)の国民年金保険料の支払いの猶予の制度ができて、本人の収入が一定の金額以下であれば、世帯主の所得関係なく、保険料の支払猶予されるはずなのに・・・」と不思議に思いつつ、調査を始めました。その中での、社会保険事務所と私とのやりとり

私「国民年金保険料免除・納付猶予却下通知書」が着いたので、その件につき、なぜ却下なのか教えて欲しい」
相手「その年金番号を教えて下さい。」
私「・・・・・」
相手「この方、世帯主さんの所得が基準以上なので・・・」
私「えっ。世帯主の所得は今年の4月から関係ないのでは?」
相手「エッ?その方若年者なんですか?」
私「そうですよ。申請書に生年月日書いているんだから、そちらでもわかるでしょう?」
相手「では、申請書の原本見てみます。」
相手「1.全額免除2.半額免除には○がついていますが、3.納付猶予には○がついていなかったので、納付猶予については審査していません。」

ということで、申請を却下したとのことでした。

ひどい話ですね。
官は、法律の周知徹底義務があります。

今年、4月から始まったばかりの法律『若年者保険料納付猶予制度』に基づく申請書が提出された際には、、不備な点はないか、疑問に思うことはないか、今回の場合には、生年月日の欄を見れば明らかに若年者(20歳以上30歳未満)で世帯主と同居ということがわかるのに、
3.納付猶予 に○がついていない場合、「全額免除・半額免除に該当しない場合は、保険料の納付の猶予はしなくていいのですか?」と聞くだけの親切心がないのでしょうか。

ただ機械的に受付、機械的に審査する、こんなことはわたしの気持として許せません。

今回の場合は、申請書を出しなおせば申請のあった日から納付猶予になるのですが。

相談者と社会保険事務所とのたりとり、私と社会保険事務所とのやりとりを見ていただければ、またこのようなことが心配されます。

申請書はどんな理由で却下されたのかわからず、そのまま提出をしないでおく。
結果として、保険料納付猶予されるはずが、そのまま親が払い続けるか、払えなくて無年金者になることも考えられます。

『官は法律の周知義務があるのだから、特に新しい法律に基づくものの場合、その主旨を申請者に伝え、記入漏れはないか、等、不備な天はないか確認してから受け付ける必要がある』と強く訴えます。


参考
・保険料の納付義務

全額免除について
(1)法定免除(法律上当然に免除になるものをいい、保険料は全額免除されます)
ア 障害年金等の受給権者
・障害基礎年金
・障害厚生年金または障害共済年金(障害の等級が一級・二級に限る)
・旧国民年金法による障害年金
・旧厚生年金保険法による障害年金
・旧船舶保険法による障害年金
・共済組合が支給する障害年金
・恩給法による年金たる給付のうち障害を支給事由とするもの
イ 生活保護法による生活扶助を受けているとき
ウ 国立のハンセン病療養所等に収容されているとき

(2)申請免除(社会保険庁長官の承認が必要です)保険料全額免除と半額免除の方法があります。
@保険料全額免除(学生等を除く)
ア 所得がないとき
イ 被保険者または被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助を受けるとき
ウ 地方税法に定める障害者であって、年間所得が125万円以下であるとき
エ 地方税法に定める寡婦であって、年間所得が125万円以下であるとき
オ その他保険料を納付することが著しく困難であると認められるとき

A保険料全額免除(学生等)
ア 本人の前年の所得が68万円(年収133万円)以下であること
イ 前記@のイ〜エに該当すること

B保険料半額免除
前記@イ〜エに該当するか、前年の所得が扶養親族等の有無、及び人数に応じて一定額以下の人に、保険料半額免除が適用されます。

納付猶予について
@被保険者本人および配偶者が基準(全額免除基準と同額)に該当(世帯主に所得は判断の対象外)する場合
A当該機関は年金の受給資格期間には算入されるが、年金額の計算には反映されません。(国庫負担はつかない。カラ期間)
B当該期間について10年間は追納可能とし、追納された場合は保険料納付期間となります。
C当該期間中に障害、死亡した場合は、障害基礎年金または遺族基礎年金が支給されます。
D10年間の時限措置です。